年会長挨拶
第46回日本毒性学会学術年会を、2019年6月26日(水)から28日(金)の3日間にわたり、徳島市のアスティとくしまにて開催することになりました。学術年会を徳島で開催するのは初めてです。徳島というと鳴門の渦潮と阿波踊りのイメージしかないかもしれませんが、徳島県は製薬会社の多い県であり、青色発光ダイオードも徳島で生まれました。都会の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれた環境で、じっくりとサイエンスに取り組める環境があります。
学術年会のテーマは「生命を守り、持続可能な環境・社会・産業の基盤となる毒性学」です。近年、国際的にも持続可能な発展(sustainable development)が重視されています。数万を超える化学物質に囲まれて生きていかなければならない現在、子供たちと次世代に誇れる環境、社会、そして産業を持続させていくうえで、医薬品、食品、化粧品、農薬などの化学物質の安全性を精査する科学である毒性学の重要性はますます高まっているはずです。本学会に参加するすべての毒性学に関わる方々に、誇りをもって毒性学の研究成果を発表していただきたいと願っています。
近年、毒性学の分野でも、ビッグデータやAIの活用が注目されています。一方で、動物、細胞を用いた実験での直接の観察に基づく知見の重要性も失われていません。シンポジウム、ワークショップは、これらのバランスを考えて構成いたしました。また、初めての試みとして45歳以下の学会員の方から公募型のワークショップを募集しました。予想外に多くの応募があったため、すべてとはいきませんが、若手学会員から提案された企画案を採択させていただきました。また、学生会員の活躍を期待し、昨年度から開始された学生ポスター賞も引き続き募集いたします。全体の企画数が増えたため、本学術年会では口頭発表用の会場を7会場としました。
会場となるアスティとくしまは、徳島駅から少し離れた海辺にあります。アクセスをスムーズにするため、シャトルバスを用意します。また、ホテルの予約については、ホームページから予約していただきますようお願いします。
阿波踊りの歌に「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」とあります。徳島での学術年会では、是非多くの参加者に発表者として来ていただき、見る阿呆より「踊る阿呆」の楽しさを味わっていただきたいと願っています。
姫野 誠一郎
(徳島文理大学薬学部)